【最新版】採光と通風の設計術|光と風を“味方にする家”の科学を完全解説〈永久保存版〉
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【最新版】採光と通風の設計術|光と風を“味方にする家”の科学を完全解説〈永久保存版〉

「日当たりがいい家がいいです」
「風通しのいい家って、どうやってつくるんだろう?」
家づくりの打ち合わせで、ほぼ必ず出てくるご要望です。
でも実は——
“なんとなくのイメージ”だけで進めてしまうと、少しもったいない家になってしまうことがあります。
「日当たりがいい家がいいです」
「風通しのいい家って、どうやってつくるんだろう?」
家づくりの打ち合わせで、ほぼ必ず出てくるご要望です。
でも実は——
南向きだから大丈夫
窓をたくさん付ければ明るいはず
バルコニーがあれば風も抜けるよね?
といった“なんとなくのイメージ”だけで進めてしまうと、
昼間なのに暗くて照明が必要
夏は眩しくて暑い
窓を開けても風が通らない
という、少しもったいない家になってしまうことがあります。
本来、採光(光の取り入れ方)と通風(風の通し方)は、
朝の目覚めや生活リズム
気分の落ち着きやすさ
電気代・冷暖房の効きやすさ
まで左右する、とても大事な要素です。
家は「自然の力を、上手に借りて暮らすための器」🌿
そんな気持ちで読んでいただけたら嬉しいです。
まずは“採光(さいこう)”から。
言葉だけ聞くと難しそうですが、意味はシンプルです。
採光=「窓などから、室内に光を取り入れる設計」のこと
ただし大事なのは、
ただ明るくすること
ではなく
「どの時間帯に」「どの場所に」「どんな光を」入れるか
を考えることです。
よくあるイメージは、
南向き=日当たり◎=大正解
たしかに南からの光は大切なのですが、
夏は直射日光で暑くなりやすい
テレビやスマホが反射して見づらい
眩しすぎてカーテンを閉めっぱなしになる
といったことも起きます。
「南向き+窓の大きさ」だけで決めないことがポイントです。
朝、カーテン越しにやわらかい東の光が入ると——
目覚めがラクになる
体内時計(生活リズム)が整いやすい
子どもの「起きられない問題」が少し軽くなる
といった効果が期待できます。
寝室やダイニングに、朝日(東の光)が少し入るようにすると、
「朝がラクな家」になりやすいです。
いちばん心地よいのは、
日中、ほとんど照明をつけなくても過ごせる状態
そのためには、
南側や東側の光をうまく入れる
細長い窓や、高い位置の窓を使って、室内奥まで光を届ける
壁や床の色で、光をやわらかく反射させる
など、「量」だけでなく「質」も意識した採光が大切です。
西日には、
冬場:部屋をあたためてくれる
夏場:強烈な暑さとまぶしさの原因になる
という、両方の側面があります。
完全に避ける必要はありませんが、
西側の窓は少し小さめにする
ルーバー(スリット状の日よけ)や外付けブラインドを検討する
木を植えて、葉っぱで西日をやわらげる
など、「コントロールして使う」イメージを持てると安心です。
つぎに“通風(つうふう)”。
これも難しく聞こえますが、意味はとても簡単です。
通風=「家の中に風を取り入れて、通り抜けさせること」
ここで大事なのは、
風は、“入る窓”と“出ていく窓”の両方が必要
ということです。
ポイント | 内容 |
|---|---|
入口と出口 | 風が入る窓と、抜けていく窓をセットで考える |
風の方向 | その地域の「よく吹く風向き」を意識する |
対角線 | できるだけ、部屋の対角線上に窓をとる |
上下の動き | 暖かい空気は上にたまる=高い窓も有効 |
「窓の大きさ」よりも、
“窓と窓の位置関係”のほうが大切です。
例えば、南側だけに窓が並んでいても、
実は風があまり通らないことがあります。
南側から入った風が、そのまま家の中で“行き止まり”になる
抜けていかないので、空気がよどみやすい
そこで効いてくるのが、
部屋の対角線上(ななめの位置)に窓をとる という考え方
南東→北西
南→北
東→西
といった「入口」と「出口」を斜めに配置すると、
風が家の中をうまく通り抜けてくれます。
暖かい空気は上のほうにたまり、
冷たい空気は下のほうにたまる性質があります。
これを利用して、
低めの位置の窓:涼しい空気の入口
高い位置の窓(高窓・吹き抜けの窓など):暖かい空気の出口
としておくと、
自然に空気が入れ替わる“立体的な通風”がつくれます。
窓は、
光を入れる
風を通す
という“機能”はもちろん、
「どんな景色を毎日見るか」を決める役割もあります。
たとえば——
小さな横長窓:落ち着いた雰囲気・プライバシーも守りやすい
広い横長窓:外に向かって部屋が広がるような感覚
縦長の窓:天井が高く感じられ、スタイリッシュな印象
コーナー窓:外との一体感が強くなり、非日常感が出る
窓の「形」と「高さ」で、部屋の印象がガラッと変わるので、
「この窓からどんな景色を見たいか?」という視点で考えてみるのもおすすめです。
最近の高性能住宅(断熱性能の高い家)は、
エアコン一台で家中を快適にしやすい
冬も底冷えしにくい
夏もエアコンの効きが良い
といったメリットがあります。
そのうえで、採光・通風と組み合わせると、
省エネで、なおかつ「気持ちいい暮らし」に近づきます。
南側に窓を設ける
できる範囲で、冬の日差しが入るように考える
太陽の熱で、室温をプラスするイメージ
庇(ひさし)やバルコニーで、夏の強い日差しをカット
外付けスクリーンやすだれで、窓の外で熱を止める
窓のガラス性能(遮熱タイプなど)も検討する
断熱性能が良い家ほど、「入れる光」と「防ぐ光」をきちんと考えると、
冷暖房に頼り過ぎない、賢い暮らしがしやすくなります。
よくあるケース | 起こりがちなこと |
|---|---|
「とりあえず南に大きな窓」で設計 | 夏は暑くてカーテン閉めっぱなし/冬も足元が冷える |
窓の位置を深く考えずに配置 | 昼でも暗い/逆に眩しくて疲れる |
通風計画なしで「とりあえず窓多め」 | 窓を開けても風が通らない/隣家から丸見え |
吹き抜けに窓が少ない | 熱だけ上にたまり、空気がよどむ |
西側の窓が大きい | 夏の西日で、夕方のLDKが耐えられない暑さに |
図面上では気づきにくいポイントなので、
「その窓、どの時間帯に、どんな光・どんな風が入るのか?」を
一度立ち止まって確認してみると安心です。
打合せや図面確認のとき、こんな視点で見てみてください 👇
朝、寝室やダイニングに少しでも東の光が入るようになっている?
日中、LDKは照明なしでも過ごせそうな明るさを確保できている?
夏の西日に対して、窓の大きさ・位置・日よけの計画がある?
風が入る窓と、抜けていく窓がセットで配置されている?
部屋の対角線上に窓が設けられている場所はある?
吹き抜けや階段まわりに、高い位置の窓(熱の抜け口)はある?
隣家や道路からの視線を考えても、開けやすい窓になっている?
「ここに座ったとき、何が見えるか?」を想像できる窓の配置になっている?
1つでも「?」があれば、
まだまだ良くできる余地がある=伸びしろです。
この記事を書いた人
株式会社マイホム PlusMe事業本部
西村 賢
PlusMe マーケティング担当。 スーモカウンター、神奈川の工務店を経てWEB戦略を担当。住宅検討者と向き合ってきた経験と、自身も子育てをする父としての視点から、実務に基づいた情報を発信している。
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